2015/11/25

御無沙汰しております。
御報告が大変遅くなりましたが、只今ヴェルサイユ宮殿からの依頼でルイ16世と王妃マリー・アントワネットの話を描いています。
事の経緯につきましては、下記の記事をお読みになって頂ければ幸いです。

WIRED.jp INNOVATION INSIGHTS
http://wired.jp/innovationinsights/post/wired/w/comics_and_innovation/?user=normal

ヴェルサイユからは、ヴェルサイユ宮殿を舞台に一冊の本(全160ページ)を描いてもらいたいとの要望でしたので、
描くなら、やはり一番有名であるルイ16世とマリー・アントワネットの話ではないかと、フランスの出版社グレナ社とも
結論が一致し、こういった運びとなりました。
7月の段階でヴェルサイユ滞在中に、フランスの新聞、ル・モンド紙の取材を受けておりましたので、
すでにフランスでは公表されていましたが、日本に帰ってきてからあまりの慌しさに御連絡が遅くなってしまいました。
本当に申し訳ありません。

この原稿は最終的にフランスにお渡しする物ですが、グレナ社及びヴェルサイユ側の御厚意で日本でも公開される事となり、
現在「チェーザレ」を連載中である週刊モーニングの誌面を借りて発表される事となりました。
(おそらく4話に分けて来年早々掲載される予定です)

「チェーザレ」においては、ここにきて再検討を必要とする事態が発生し、相変わらず再開一話目の段階で止めている状態です。
教皇選について長い時間シナリオを練ってきたのですが、原さんのデータに数箇所、どうしても辻褄の合わない点があり、
(データに関しは、これまでも二転三転するのは当たり前でしたので、確定しているところから作り込んではいたのですが)
元々1492年の教皇選に関しては記録が残っていませんでしたから、あらゆる方向からデータを寄せ集めて構築するしかなく、
また教皇選のシステムを把握するために、前教皇であるインノケンティウス8世選出の1484年時の教皇選を
雛形として用いた事から、どうやら1484年と1492年の教皇選を原さんが混同してしまったらしく、
そのために矛盾が生じてしまっていたようです。
この件については、原さん自体は翻訳家であって文筆家でも創作家でもありませんので
すでにキャパシティの問題でオーバーワーク状態であったのではないかと思われます。
また、去年から原さんの御身内に不幸事が続いていましたので、こちらからも綿密な打ち合わせを控えていた事もあり、
早い段階での修正が出来ず対応が遅れてしまいました。これは私の方のミスでもあります。

結果、教皇選をゼロから作り直す事となってしまい、この建て直しにはそれ相応の時間を要する事から、
私の方でもすぐには頭を切り替える余裕がなく、そのために一旦クールダウンを兼ねて、以前から用意していた
別の時代の話を読みきり連作で(他紙ですが)開始しようとしていたのですが、その矢先
「チェーザレ」の前担当者であるKからヴェルサイユの仕事を請けてもらえないかと打診があり、
実際あまり得意な時代ではなかったため一瞬躊躇したものの、
ヴェルサイユ宮殿の研究者チームが全面協力の名乗りを上げているという事と、ヴェルサイユ宮殿のあらゆる場所を、
こちらの要望に合わせて全て見せて頂けるという事に心が動いてしまい、結果お引き受けしてしまいました。

大変な作業である事は当然想定しておりましたが、絢爛豪華=権力の象徴、であった時代ですので、
思ったとおりと言いますか、それ以上の時間を要しております。
とりあえずは年内はフランスにどっぷり嵌るしかない状況です。
年明けに掲載予定となっておりますが、何とかこれを完成させて、できるだけ早くフランスからイタリアに戻ってこなければと、
とにかく2015年の師走は例年にない慌しさとなりそうです。

追記
11月13日に発生した、フランスでのパリ同時多発テロにおきましては本当に残念としか言えません。
フランス滞在中はパリにも三日ほど滞在していましたし、事件の起きた10、11区の隣の3区にはよく出かけていたもので
とても他人事とは思えませんでした。(実際今の世界情勢から見れば対岸の火事とは全く思えませんが)
改めて命を落とされた方々の御冥福をお祈り致します。
また被害に遭われた方々の、心と体の傷が一刻も早く癒える事を切に願ってやみません。