「カンツォニエーレ チェーザレ番外編」単行本発売のお知らせ

「カンツォニエーレ チェーザレ番外編」が単行本化されることになりました。

2025年07月23日発売です。

興味のある方は下記のページで確認して頂けると有難いです。

https://www.kodansha.co.jp/comic/products/0000415543

Amazonだとこちらから。

カンツォニエーレ チェーザレ番外編 (モーニング KC) | 惣領 冬実 |本 | 通販 | Amazon

数に限りがありますので、確実に手に入れたい場合は予約を入れた方が良いかもしれません。

昨今、紙の本はもう身近な物ではなくなってしまったようです。私自身も紙媒体の資料をPCへと移しているような有様でその方が素早く簡単にデータを確認できるからです。それでも紙の資料は処分せずに時々その存在を確認するかのように手に取っています。紙の本は物理的に場所を取るし劣化もしていく物ですが、敢えて良い所があるとしたら自身の所有物として実感が持てるところではないかと私は思っています。本に限らず、全ての物は時間が経てば薄汚れて邪魔な物へと変貌していきますが、逆にその劣化が時代の積み重ねのように感じられ、味わい深さに繋がることもあります。考え方は人それぞれなので一概には言えませんが、やはり自分の手で触れられる物はどこか安心感を得られる気がします。

カンツォニエーレの作中にも出てきた装飾写本ですが、当時は紙自体が貴重な物で本の文字も絵も職人(絵師)が手描きした一点物、言わば名もなき職人達の作品と言えるものでした。今で言うなら私達漫画家のカラーを含めた生原稿(文字まで手描き)を一冊に纏めて本にしたような感じでしょうか。想像しただけで心臓が縮み上がる思いがします。(苦笑)

15世紀から活版印刷が普及し始め、やがて印刷物が大量に世間に出回るようになってからは本は誰でも手に取れる身近な物へとなりましたが、ネット社会となった現代では紙の本自体が希少な物へと変わりつつあります。

未だに紙とペンで作画を行っている私もすでに前世紀の遺物状態なのかもしれません。紙の本同様、当然私自身も劣化していきますので、いつかは描けなくなる日も訪れるでしょうが、それまでは今のやり方で作業していくしかないなと思う今日この頃です。