2018年もいよいよ終わりますね。
振り返れば今年も異常気象など世界規模で災害に見舞われた年でした。
自然災害とはいえ、そこに人間の自然に対する軽視や汚染が大きく影響しているのではないかと
改めて思い知らされた年でもありました。
私にとって今年は、「チェーザレ」が何とか年内に再開できた事が唯一安堵する事柄となりました。
第三話でいよいよ教皇選が描かれますが、教皇選自体は1492年のものと現在のものとでは色々と違っていて
枢機卿達が閉じ込められること以外は結構異なっていますので、その辺も含めて楽しんで頂ければと思います。
※因みにシエナの競馬(パーリオ)も現在とは違っていて、現在はカンポ広場を周回していますが、
1492年当時は城門からスタートして、スペインの牛追い祭りのような感じで街中を駆け抜けていたようです。
そのため観客も建物の窓からや、簡易バルコニーを設置してそこから観戦していたと思われます。
なお、来年の掲載号は下記の予定となっております。
第三話 モーニング8号(1/25発売)
第四話 モーニング12号(2/22発売)
第五話の掲載号は只今調整中です。
六話目以降も来年中には発表できるのではないかと思いますので、来年も宜しくお願い致します。
そして、ここからは完全に私事ですので目を通したい方だけお読みください。
先月11月20日に我家の猫、マシュー(男の子)が亡くなりました。
マシューはスコティッシュフォールドのミックスでしたが、スコティッシュの遺伝性疾患である骨軟骨異形成症を患っていて
四肢と背中、しっぽの関節の軟骨が均等ではなく異常に固まっていて、猫特有の柔軟性は全くありませんでした。
猫なのに歩くと足音がするような有様で、加えて白血病のキャリアでもあり、最終的には食物アレルギーを起こして
兼ねてより軟便であったのがさらに悪化して、ヒルズのi/dやz/dの療法食に切りかけたものの受け付けずに
結果、衰弱して亡くなってしまいました。
元の飼い主に生後四年で飼育放棄され、保護団体の元に三年、我家に来た時にはすでに七歳を過ぎていたようです。
2013年の11月27日に我家へ迎えたので、仮にその日を誕生日とすると、私の元にに来て五年、ちょうど十二年の生涯でした。
(誕生日は正確にはわからないとのことで、実際にはそれ以上だったかもしれません)
スコティッシュは俗に言う折れ耳で、顔も体も丸みを帯びて非常に愛らしい風貌をしています。
でも、その見た目からは想像できないほど病弱で、決して健康体の猫とは言えません。
しかし、これは彼ら自身の問題ではなく人間が造りだした障害なのです。
※スコティッシュに限らず、純血種の動物は往々にしてこういった症状を抱えていて、これらは全て人間が招いた事です。
2014年年1月、我家へ来て二ヶ月が過ぎた頃のマシュー。
2.8kgだった体重が4kg近くまで回復して毛並みもふっくらしてきた状態。
マシューの体調管理が私に務まるか自信がなかったので、一時預かりとしてまだ保護団体の鑑札をつけたままです。
歯根炎で口の中が化膿して腫れていたため、鼻腔が狭いマシューはくしゃみをする度、鼻血を噴出していましたが、
獣医さんがすでに壊死していた上顎の牙(狩りをしなければ必要ないらしい)と膿をきれいに除去してくださった事で
鼻血はすっかり治まりました。
でも上の牙がないことで、時々こんな風に舌を出していることがありました。
我家に来て二年が経った頃、猫らしいポーズも出来るようになりました。(伸びをするのがマシューにとってはこれが精一杯)
2016年、推定十歳
寝返りも出来なかったマシューが、お腹を見せたり猫じゃらしやボールで遊ぶようになって、一番安定していた時期。
白っぽかった鼻の色も濃いピンク色に。
この頃には体重も4.4kgになっていました。
それでもマシューの関節は、このように曲がって前足は地面に付かず、シッポは下を向いたまま固まった状態でした。
そのために排泄が上手に出来なくて、さらに慢性の腸炎で軟便続きだったので 、なるだけお尻を汚さずにすむようにシッポの毛を短く刈っていました。
立派なシッポの持ち主だっただけに、こんな姿になって何とも切なかったです。
2017年、体重が増えたのと動きが活発になったのは良かったのですが、
そのせいでマシューの足に負荷がかかったのか、関節の具合が悪化したのか、
後ろ足の人間でいう踵部分の皮膚が擦れて、出血するようになってしまいました。
獣医さんの指導の下に、軟膏をつけて包帯でテーピングをして凌ぐ毎日に。
ピンク色の包帯が獣医さんが巻いたものです。
うっ血しないようにしっかりと巻く加減が難しく、私はどうしても緩めの巻き方になってしまったのですが、マシューは体が硬かったので、この程度でも噛み切ったりで解いたりはなかったです。
これを朝夕二回のローテーションで半年ほど続けました。
後ろ足はわざと上げている訳ではなく、あのような曲がった状態でしか座れないのです。
最初は噛み付かれたりパンチをもらって痛い思いをしましたが、
マシューはそれ以上に痛い怖い思いをしていたので当たり前の反応です。
それでも根気よく続けていると、傷口が塞がっていくことで治療してくれていると理解するのか、徐々に抵抗することなく、大人しく手当てをさせてくれるようになりました。
白血病キャリアの子は、ストレスフリーな生活が必須なので、毎日の手当ては私自身も随分神経を使いました。
因みにこれが使用していた物です。
患部に軟膏二種を塗って、動物病院で薦めて頂いた傷口に貼り付かないフィルムを当て、その上に医療用ガーゼをクッションのようにして包んでから、伸縮性の包帯(硬め)を巻いていたのですが、止めのテープは細めの物を上部と下部の二箇所に巻くと、蒸れも少なくて良かったような気がします。
あくまでマシューの場合ですが参考のためアップしてみました。
2018年、この頃からお腹の調子が最悪になり、食物アレルギーを起こしている可能性ありと言われました。
どの餌も1日~2日は大丈夫でも、3日目からはやはり下痢をするの繰り返しで、
市販の猫缶やドライでは対応出来なくなっていました。
元々獣医さんが薦めるi/dの缶もドライも食べない子だったので、
z/d(アレルギー用療法食)に切り替えてもやはり受け付けずで、市販のツナやチキンを欲しがり、そのため一日に何度も下痢をして、その度体を汚すので何度も洗う事になりました。
シッポが付け根部分から固まっていて、体を洗うのもオムツをつけるのもマシューの体に負担がかるのではないかという懸念から獣医さんと相談の上、全く機能していないシッポを根元から5cmを残して、その先を除去することにしました。
御蔭で洗うのも楽になって、オムツもできるようにはなりましたが、こんな対処の仕方しかなく本当に申し訳なかったと思います。
オムツは動物用も試したのですが、獣医さんから人間用のオムツも有効であると教えてもらい、そちらを使用していました。
※ネット等で人間用オムツの場合は逆向き(お腹部分を背後にもってくる)の方が具合が良いと知り、参考にさせて頂きました。
お腹がすけば食べるはずと言われても、マシューは頑なに療法食を拒むので(理由は解らず)
9月後半からz/dの強制給餌を始め、病院で点滴をしながら回復の望みを繋いでいたのですが、点滴中に容態が急変し12年の生涯を終えました。
関節は酷くなる事はあっても、よくなる事はないと言われていましたから、
せめて白血病の陰転、アレルギーからの回復をと望みましたが、結局は何も変わらず治してあげられる事は出来ませんでした。
2018年、11月。
亡くなる10日程前、夏に保護団体から引き取った犬のアリー(女の子)と。
マシューは、人にも猫にも犬にもすぐそばにいって甘える子でした。
私の膝の上は安定が悪くて怖かったのか関節が痛かったのか、上がってくる事は一度もなく、そのため唯一のスキンシップが添い寝で、私がマシューのために用意していたマットレスの上に横になると、すぐにやってきて私の腕に頭を乗せ腕枕で寝るのが大好きでした。
それでも、この時初めて私の膝に自分から上がってきて、多分暖を取るためだったのかもしれないですが
我家に来て初めてのことでしたので驚きつつも、1時間程でしたが最初で最後の膝抱っこをしてあげました。
元気だった頃のマシュー。天真爛漫、他の子が迷惑そうにしていてもお構いなしでした。本当に愛らしい子でした
最初は私には荷が重いからと引き取りをお断りしたのですが、
マシューを保護したボランティアの方の助けようとする必死な姿を見て、覚悟を決めたのがこの子との生活の始まりでした。
保護団体にも限界はあります。ボランティアの方達にも相当な負担がかかっているのが現実です。
当初はマシューのためというより、命を繋ごうとするボランティアの方のためへの気持ちが強かったのですが、
でも、今はもっと早くマシューに出会ってあげれば良かったと思っています。本当に今更ですが。
そのボランティアさんがいなければ、マシューは命を繋げる事ができなかったでしょう。
その方のためにも、マシューの弔いも兼ねて、私の元に来てからの五年間のマシューの記録を、今回ここに上げさせて頂きました。
最後の最後にそばにいてあげられなくてごめんね。マシュー、さよなら。一緒に過ごしてくれてありがとう。