2006/08/15

暑さ厳しき毎日が続いていますね。「チェーザレ」10月まで休載で、またもや読者の皆様にはご迷惑をおかけしております。
次回は一応10週連続の予定しておりますが、それまでどうかお待ちください。
その間にと言うのも何なのですが、ボルジア家に対して予備知識のない方のために、ボルジア関連の映画をちょっとこの場で御紹介しようかと思います。
マリオ・プーヅォ原作の「ゴッドファーザーpart1~3」(今更なのですが超有名な映画です)
アメリカ・マフィアの内幕とファミリーの人間模様を描いた名作中の名作なのですが、このお話の下敷きにはボルジア家が使われており、原作者のマリオ・プーヅォは当初ボルジアの話を映画化したかった様なのですが、当時のハリウッドではヨーロッパの中世物は観客の取っ付きが悪くなるであろうという懸念から、アメリカ・マフィアというハリウッドスタイルを意識した作品に切り替えたようです(しかし作品自体は大変上手く仕立て直されており、まあ言わずと知れた名作です。とは言えマフィアに焦点を当てた作品として、当時でも十分衝撃的な映画ではありましたが)。
ドン・コルレオーネ(マーロン・ブランド)=アレッサンドロ6世 三男マイケル(アル・パチーノ)=チェーザレといった形で鑑賞すると、また趣きも変わって見れるかもしれません。
※part2では若き日のドン・コルレオーネをロバート・デ・ニーロが演じています。

中世のイタリアでは一族(文字通りファミリー)間での、し烈な権力争いが繰り返されていたように、それと同じく1930年代のアメリカでも、イタリアマフィアの抗争が激しく繰り広げられていた訳で、そのあたりが符合していて実に興味深いです。まだ観た事がないという方は一度御覧になってみるのもよいかと思われます。
後は個人的に好きな映画で「冬のライオン」というのがありまして、これは12世紀初頭のイングランド王家の話で、歴史物とはいえ、ぶっちゃけ戦争シーンもなければ群集も出てこず、完全なる家庭内争議に終始するお話です。が、とにかく最後まで釘付けにされるほどの演出と構成、あとは役者の演技力に裏付けされた、これも名作中の名作と言える映画でしょう。
父王ヘンリー2世にピーター・オトゥール 王妃にキャサリン・ヘップバーン 
王子役に若き日のアンソニー・ホプキンス(後の獅子心王リチャード1世) かなり昔の映画ですが、興味のある方はこちらも御覧になってみてください。(その前にDVD見つかるかどうかが問題ですが:笑)

それから以前HP上で「ES」の映画化の話に触れましたが、あれはシナリオが出来上がる度に私の方でNGを連発していましたら、思った通り立ち消えてしまいまして(苦笑)。
まあなんというか期待して下さってた方々、また製作サイドには本当に申し訳ない事をしたと思っております。
シナリオの段階でNGを出したのは、作品のコンセプトが恋愛重視のドラマになっていたせいなのですが、
どうもこちらの意図するテーマと微妙なズレを感じ、やむを得ずストップをかけてしまいました。本当にすみません。
今思うと2時間足らずの尺の中で表現するには、たぶん恋愛に振る方が作品としては作りやすく、また観客にも受けがいいのかもしれないですね。
どちらにせよ我がままで本当に申し訳ない。他映画会社からも当初お話があったのですが、その時も製作サイドに「希望の監督さんはいらっしゃいますか?」と尋ねられ「M池T史さんでよろしくお願いします」と言ったら、それっきり連絡こずで、どうも私は何かを履き違えているのではないかと、最近になって自問自答する毎日です。