2019/12/31

2019年も終わりますね。
今年もいろいろありましたが、個人的には楽しかった記憶よりも悲しかった記憶が上回る年でした
台風被害に遭われた方々への対応の遅れ、あおり運転、高齢者の交通事故などに対して、
国や行政の有り方に唯々絶望した年でした。
対応しないのではなく、出来ない国なのだと改めて痛感させられました。
また悲惨な事件の裁判についても疑問が残り、こちらの勉強不足もあってか、納得のいかない事ばかりでした。

裁判員制度というものが持ち込まれること自体、裁判官にとっても負荷が大きくなっている事の現れでしょうが、
それでも裁判員の意見が反映されないのであれば、我々素人の考えでは罪を裁けないという結論になり、
ただのお飾りとして法廷に駆り出されるのは如何なものかと思われます。
すべては法律の不備から始まっているのなら、何度も言いますが早急に改正して頂きたいです。

「罪を憎んで人を憎まず」という言葉がありますが、元々罪は人から生まれるのですから
区別すること自体不毛と思います。
どんなに追い詰められた状況でも、罪を犯さない人は犯さない、犯す人は犯すのです。
そのような綺麗事を掘り下げている暇があるなら、罪を犯した人間への対応を現実的に対処してほしいです。

上で今年は悲しかった記憶ばかりと書きましたが、私にも唯一楽しみにしている事がありました。
某放送局でやっていたドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」を観るのが本当に楽しみでした。

来年の東京オリンピックのステマなのでは?と当初は訝し気に思っていたのですが、
1964年の東京オリンピックを軸にしているものの、物語自体は世界に対する日本の在り方のドラマでした。
近代史は膨大な資料が現存しており、そこが最大のメリットではあるのですが、
限られた尺の中では、逆にエピソードの取捨選択が非常に難しくなります。
全てを読み込んでいるからこそ、どこに焦点を絞り、何を捨て何を生かすかが判断できるのです。
明治、大正、昭和という、時代から時代への群像劇で、これだけ多くの登場人物を魅力的に描くのは、
脚本家の力量によるものでもあるのですが、それでも尋常じゃないエネルギーを使われた事と思います。

嘉納治五郎から始まり、金栗四三、田畑政治へと、まるで駅伝のように物語の襷が繋がれていき、
それを古今亭志ん生が実況者として伝える。
架空の人物「五りん」は、彼らの走りに熱狂する観戦者といったところでしょうか。
登場人物達が終始軽快なフットワークで描かれており、まさに物語も人間も全てが「いだてん」でした。
脚本、演出を始め、演者、制作スタッフの皆様の完走、本当に素晴らしかったです。

それでは来年が良い年でありますように。